にかほ市で産業機械・精密機械加工を手掛ける丸大機工株式会社をオンラインで取材させていただきました!同社は長らく、地元の大手電子部品メーカー生産設備の部品製作をしてきましたが、1988年に秋田市に設計事務所を開設し、自社製品の開発に力を入れ、経済産業省が選定する「地域未来牽引企業」、同じく経産省の「はばたく中小企業小規模事業者300」、秋田県の「秋田県ものづくり中核企業」に選ばれています。

ワンストップで顧客のニーズに対応

自社開発製品

自社開発製品のうち打ち上げ花火自動玉皮貼り装置は、大仙市の株式会社花火創造企業からの依頼で開発しました。これにより、花火の火薬を詰めた紙製の半球を2つ合わせて紙のテープを巻く工程の自動化を実現しました。引っ張る力の調節をはじめとする花火職人の技の精度を再現するため、難易度の高い開発だったそうです。

丸大機工は機械の設計から大物加工、精密加工、組み立て、配線、据付調整までを一貫してこなし、、ワンストップであらゆる顧客ニーズに対応することを目指しています。特に金属加工が強みです。この5年で従業員数が約180人から255人に増えました。2022年度も総合職10人の新卒採用を目指しています。そのため平均勤続年数は12年ですが、辞める人は少なく勤続40年の方もいるそうです。

求める人材は文系・理系を問わず、入社後は3カ月間で各部署を回った上で配属を決めます。学歴は高校・高専・専門学校・短大・大学卒、既卒もOKです。

菊地兼治社長はインタビューで、新たな顧客の獲得や従業員の待遇の改善について率直に、そして雄弁に語ってくださいました。言葉の端々に従業員がやりがいを持って働ける環境を整えたいという思いをにじませる一方、新たな事業の立ち上げを決定し、顧客獲得のためのトップセールスに自ら足を運ぶフットワークの軽さも印象的でした。

社長自ら関東地方などのメーカーを積極的に開拓し、極秘にされている工場の中を案内してもらい、それが事業の拡大に結びついたこともあるそうです。

関東の顧客の工場を見学させていただいたとき、男性従業員がなかなか機械では装着できない細かい手作業をやっていました。私はそれを見て、「これは女性がやった方がよい。私に任せてください」と言いました。直前に近隣の工場の事業再編で優秀な女性の仕事がなくなっていたのを知っていたからです。うちはその方たちを一気に13人採用し、その仕事を引き受けました。

コロナ禍の先を見据えて設備投資

事業の拡大に伴って工場の増築を進め、現在は8棟の建物があります。第1工場は高精度大型部品の加工工場、第2工場は最大15t天井クレーンを有する組立・配線工場になっています。

第3工場では多品種小ロット生産に対応する立型・横型・5軸マシニングセンタ、ターニングセンタ、NC旋盤を稼働させ、精密加工を行っています。

2020年には、東北で導入実績のなかった大型の研磨機械を導入するなど、研磨工程にも力を入れています。第4工場は2012年に新設され、2019年に増築された溶接・製缶工場になっています。

こうして、各工場で加工・生産された部品が第2工場で機械装置として組み立てられ、出荷されています。

同社は2016年に他の機械メーカー向けOEM(相手先ブランド生産)に舵を切りました。受注した製品をワンストップで納入できるように機械設備の導入を進めており、常に労働環境の改善と先行投資を欠かさない会社だそうです。

1枚の伝票で設計から最後の据え付けまでやれますとお話しさせていただいています。そうするとお客様から各工程でいろんなご指導もいただくことができます。これにより私たちの知見も増え、逆にお客様へ提案することもできるようになり仕事がスムーズになります。半導体不足も追い風となり、OEMの受注が増え、各工程で人員を増やす必要が出てきました。

OEMを始めた頃は、思うように進まない時期もあったそうですが、今は軌道に乗りました。

県内大学と連携した開発も行っており、秋田大学と共同で点滴台電子機器配線カバーを開発したり、県立大学と大規模細胞内物質導入装置を開発したりもしています。

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