『イシュタムの手 法医学教授・上杉永久子』(小学館)

秋田県大仙市大曲出身で東京都住の解剖技官で作家の小松亜由美氏の3作目に当たる5話の医療系ミステリーからなる短編集です。

主な舞台である秋田市で、卓越した技能を持つ法医学教授・上杉永久子を主人公、東京から逃げるように入学した大学院生・南雲瞬平を語り手として物語が進行します。イシュタムとは、マヤ神話の自殺を司る女神で、秋田ケンミンとしてはドキッとしますが、リアルな解剖シーンと、親しみのある秋田の地名や風景、言葉が丁寧に書き込まれていて、ぐいぐい引き込まれます。読めばきっと秋田がもっと好きになる一作、年末年始のお休みにいかがでしょうか。

なお、主人公の元夫の謎が未回収で、続編が待たれます。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP